ご案内学会組織学会活動学会認定資格規則・申込書類関連情報トップページへ

各委員会の最新情報へ

編集委員会 教育・研修委員会 資格認定委員会 国際交流委員会 広報委員会 将来検討委員会


入会のご案内
トップページ > トピックス  > 海外最新情報&在外便り >  世界認知療法行動療法会議(WCBCT2010)第6回大会への参加記
世界認知療法行動療法会議(WCBCT2010)第6回大会への参加記


 2010年6月2日から5日にボストン大学(Boston University)で開催された6th World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies (WCBCT 2010)に参加しました。

私は,開催前日に弁証法的行動療法で著名なMarsha Linehan先生のワークショップに参加しました。会期中には,松見淳子先生がお話しされるパネルディスカッションやAaron T. Beck先生とDavid M. Clark先生のKeynote,“事例研究を実践と研究に活かす”といったシンポジウムなど魅力的な沢山のプログラムに参加することができました。また,私自身も“Assertiveness as a cultural attribute: Is assertiveness suitable for Japanese?”というタイトルのポスター発表をおこない,有意義なディスカッションの時間をもつことができました。

WCBCTの参加は今回で3度目です。WCBCTで印象的なことはDSM-Ⅳに基づいたプログラム構成です。たとえば今年は,気分障害は黄緑色,不安障害はオレンジ色というようにプログラム表自体が色分けされており,ほとんどのプログラムになんらかのDSM-Ⅳの診断名が入っています。ちなみに書籍コーナーに並ぶ本もほとんど診断名入りのタイトルです。

一方気になるのが,診断名毎に研究や実践を掘り下げていった場合,認知行動療法がたくさんのマニュアルの集合体になるのではということです。症状対マニュアルという1対1対応は分かりやすい半面,症状ごとのマニュアルが増えればその分実践家の負担も増えます。また,複数の症状が重なるコモビディティの問題や個人を取り巻く文化を含めた雑多な要因の存在は,症状対マニュアルという介入方法を困難にすることが今回の発表の中でも指摘されていました。

現在私は,2011年春の博士号取得に向けアサーション・トレーニングについての博士論文を執筆しています。その中で特に力を入れている点は,診断名に関わらず様々な対人関係の相互作用を包括的に捉えるという見方です。発達障害児であれ,健常成人であれ,円滑なコミュニケーションにはある一定したパターンがあり,それを捉えるのに行動分析学の視点が有用です。

今回のWCBCTでもわずかではありますが,機能的アセスメントといったDSM-Ⅳにおける症状カテゴリを越えたアセスメント方法についてのディスカッションがありました。

DSMという共通言語を賢く用いながら,クライエントの文脈的な要因をどう拾い上げていくか,これは大変難しい半面,大変有意義なテーマになっていくのではないかと感じました。

関西学院大学大学院 文学研究科
三田村仰