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WCBCT体験記


 2010年6月2日から5日まで、アメリカのボストン(Boston University)で開催された第6回世界行動療法認知療法会議(6th World Congress of Behavioral and Cognitive Therapies)に参加しました。Work Shop50題、Key Notes34題、Symposiumが130件以上というという非常に大きな学会でした。プログラム全体としては、不安(e.g., Anxiety, PTSD, OCD, Trauma)や抑うつに関連する発表が非常に多いことが印象的でした。

 今回の学会参加の大きな目的の1つが、Boston大学のDavid Barlow先生のWork Shop(6時間)「Unified Protocol for the Treatment of Emotional Disorders(感情障害に対する統合的心理療法」に参加することでした。この感情障害(不安・抑うつ)に対する統合的心理療法は、近年、日本でも注目されているアクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT)と同じように、診断横断的な(Trans-Diagnostic)心理療法の1つです。Work Shopでは、介入プログラム・手続きについての詳しい紹介に加えて、この感情障害に対する統合的心理療法が開発された理論的な背景やモデルについて、前半2時間程度を使って、詳しく説明がなされました。これまで抑うつ・OCD・社会不安障害・PTSDなど個別に行われてきた研究や実践を「感情」の基礎研究を基盤として統合し、その共通要素と特異的な要素を明確化し、モデル化及びそのモデルに基づく介入プログラムを開発するという試みは、抑うつを中心に研究を行ってきた私には、非常に勉強になりました。特に、不安や抑うつのようなネガティブな気分状態に陥った時に、どう対処するのかという部分に重点的にアプローチするという点は、私が研究を行っている行動活性化療法とも重なる部分があり、今後の研究の参考になりました。

 私自身は、“Study of cross-cultural generality of the behavioral model of depression: one-day self-monitoring study in Japanese undergraduate students”という題目でポスター発表を行いました。最終日の最も遅い時間帯にも関わらず、海外の研究者だけでなく、海外で活躍される日本人研究者や実践家の方に来ていただくことができました。

 その他には、私ががん患者に対するCBTの研究にも携わっていることから、行動医学領域におけるCBTのSymposiumやがん患者に対するCBTのWork Shopに参加し、刺激を受けることができました。

 次回のWCBCTは地球の裏側のペルーで開催されます。今回の学会参加で得られたことを日々の研究活動に生かし、よい研究発表を携えて次回のWCBCTに参加したいと思います。

 最後になりましたが、「WCBCT2004記念若手研究奨励基金」からの助成により、このような貴重な経験をすることができました。心より感謝申し上げます。

関西学院大学大学院
伊藤 直