WCBCT2013(リマ)に参加して
この度、日本行動療法学会より「WCBCT2013(リマ)で発表する若手研究者への発表助成」を受けましてWorld Congress of Behavioral and Cognitive Therapies 2013 in Limaに参加し、ポスター発表をさせて頂きました。
ポスター発表においては、"Neural correlates of visuospatial perspective taking associated with autistic traits"というタイトルにて、自閉傾向と視空間的視点取得能力との関連を脳機能の観点から明らかにした研究を発表しました。本研究では、自閉症スペクトラム障害と関連が指摘されている視点取得の能力について、多様な機能を必要とする「他者の心の推測」ではなく、より単純な機能である「他者の見えている物理的世界の推測」との関連を明らかにし、自閉症スペクトラム障害における視点取得の困難さに対する基礎的な認知機能の影響を示唆しました。
ポスター発表では、様々なバックグラウンドを持つ方と意見を交わすことができました。自閉症スペクトラム障害の研究をされている方や、脳機能画像研究をされていないが興味を持って頂いた方、地元の学部の学生などとディスカッションすることにより、より広い視点から自分の研究の位置づけが明確になったり、これからの課題もみえてきたりもしました。また、リマがスペイン語圏であるため、お互いが第2外国語である英語でのやりとりとなることも多くありました。お互い不慣れな言語を使いながらも、お互いの研究や研究以外のことを話すことができ大変刺激を受けました。
最後になりますが、この度は発表助成をいただき,誠にありがとうございました。日本から遠いリマの地で、発表の緊張感や高揚感、海外学会だからこそ得られる刺激を経験出来たのは、日本行動療法学会によるご支援があったからでした。この経験を今後の研究活動および臨床活動に活かしていきたいと存じます。
金山祐介