ご案内学会組織学会活動学会認定資格規則・申込書類関連情報トップページへ

各委員会の最新情報へ

編集委員会 教育・研修委員会 資格認定委員会 国際交流委員会 広報委員会 将来検討委員会


入会のご案内
トップページ > トピックス  > 海外最新情報&在外便り >  第5回アジア認知行動療法会議(南京)参加・発表のご報告
第5回アジア認知行動療法会議(南京)参加・発表のご報告

 先日は第5回アジア認知行動療法会議についての助成を貴学会より賜わり、まことにありがとうございました。2015年5月15~17日まで中国南京で開催されました本学会に参加させていただきましたが、主に私が発表させていただきましたシンポジウムについてを下記に報告申し上げます。
私は千葉大学の中川彰子教授が主催されました、“Training CBT therapists and its treatment effect in Japan ”というシンポジウムにて、シンポジストのひとりとして5月17日に口頭発表させていただきました。本シンポジウムの趣旨は、千葉大学における認知行動療法トレーニングシステム(Chiba-IAPT)のこれまでの経緯、業績や成果、今後の工夫や課題、について報告するというものでした。計4名のシンポジストがおり、それぞれの専門的な疾患(社交不安症、摂食障害、強迫症、自閉スペクトラム症)に対する認知行動療法ができる治療者を育てるためのトレーニングシステムの概要や工夫についてを述べました。私の専門分野は成人の自閉スペクトラム症の二次的な精神疾患に対するケアであることから、“The system of the assessment and treatment of High-Functioning Autism Spectrum Disorders in adults with psychiatric disorders”という題目で、二次的な精神疾患を持つ成人の自閉スペクトラム症をどのように治療の導入前にアセスメントし、その後の治療法に役立てるかという構想と、アセスメントを行うにあたり、研修システム(Chiba-IAPT)の研修生らにどのような形で研修を積んで行くかについての課題を発表させていただきました。
 本シンポジウムに出席された方は中国人が多く見受けられました。発表後に、ある中国人の方から「中国では高機能自閉スペクトラム症患者は治療の対象外となることが多く、ほとんどが重度で登校や就労が不可能な自閉スペクトラム症の患者に対するケアのみ行われている」というコメントを頂きました。欧米諸国に比較すると、日本においても、とくに成人においてはそのような傾向は強く見られると言うように回答いたしました。また、自閉スペクトラム症の診断システムそのものが日本も中国も、口頭のみのインタビューであったり、質問紙や知能検査のみでの判断であったりと、より精度の高い診断ツールの使用があまり浸透していないような印象を持ちました。
次に学会参加の報告になりますが、中国の方の発表はインターネットツールを使用したものが多く、見受けられました。これは低強度セラピーでの、よりセルフヘルプができる力のある患者には非常に有用になり得るツールであるように思い、興味深く拝見、拝聴いたしました。
今回の学会は中国の心理学会との合同大会であったため、参加者のほとんどが中国人であったように思います。参加者の方が私が参加させていただいたシンポジウムにおいても一生けん命メモを取られており、非常に熱心な様子がうかがえました。
今後も、本学会に参加させていただく際には、アジア諸国と日本においての認知行動療法の比較や情報交換を行ってまいりたいと思います。簡単ではございますが、以上で学会参加のご報告とさせていただきます。

千葉大学子どものこころの発達教育研究センター 非常勤講師
大島 郁葉