ご案内学会組織学会活動学会認定資格規則・申込書類関連情報トップページへ

各委員会の最新情報へ

編集委員会 教育・研修委員会 資格認定委員会 国際交流委員会 広報委員会 将来検討委員会


入会のご案内
トップページ > トピックス  > 海外最新情報&在外便り >  WCBCT報告書
WCBCT報告書

 2016年6月22日~25日に開催された8th World Congress of Behavioural and Cognitive Therapiesに参加をし、ポスター発表とワークショップの聴講を行ったため、そこで学んだことを報告する。
 ポスター発表では、“The Effects of the Attention Training on Mind Wandering, Depression and Anxiety”というタイトルで発表を行った。研究は、注意訓練という注意の柔軟性を高める訓練によって、注意制御機能の変化や抑うつ症状、不安症状の低減がみられるかを調べたものであった。発表では、注意訓練自体に関心を持って話を聞きに来てくださった方が多かった。注意訓練はメタ認知療法のパッケージとして推奨して用いられているが、その存在を知っている方はあまりおらず、日本だけでなくオーストラリアにおいてもまだ認知度が低いことを実感した。しかし、訓練の手法を詳細に聞いたいという声が多く、音を使って認知機能を高めることで、臨床症状の改善を促すという介入方法について関心が高いように感じた。
 発表を聞いてくれた人から、注意訓練はなぜ聴覚刺激を用いた訓練なのか?という質問があった。注意訓練を開発したWellsは初め、視覚刺激を使用したが、聴覚刺激の方がより効果が大きかったことから聴覚刺激を用いることにしたという話を聞いたことがあった。しかし、効果の統計学的な違いやその違いの理由については発表されておらず、自分でも疑問に感じている点であった。今回私は、主観的指標を用いて注意訓練の効果を検討する研究について発表したが、脳波を用いた注意訓練の脳機能への効果についても研究を行っている。注意訓練の神経基盤に関する研究は少なく、分かっていないことも多い。聴覚と視覚の刺激によってどのように効果が異なるのかについても神経科学的に解明されておらず、今後の検討課題に気づくことができた。
 ワークショップはマインドフルネスを教育や臨床現場で応用する取り組みを行っているCraig Hassed博士の発表を聴講した。私がワークショップに参加した理由は、現在、マインドフルネスの研究を行っていて、臨床応用に関心があるからであった。臨床応用をする上で、工夫をしている点について伺いたいと思い、聴講するに至った。講演の中で最も関心があったのは、教育や臨床の場で独自の教材を用いた介入に関することであった。大学のマインドフルネス研究の一貫で、youtubeにてマインドフルネスに関する効果や手順を公開しているとのお話を伺った。また、介入ビデオの中には注意機能や脳機能の変化についても説明があり、そういった科学的な解明がされていることをプログラム参加者が知ることで、自分の体験と科学的な効果を重ねて理解できたり、効果を知った上で取り組むことで動機付けがなされることを学ぶことができた。
 その他にも講演を色々と聴講することができ、英語が全ては聞き取れないながらも、新しいことを多く学ぶことができた。
 助成金を頂いたことで、WCBCTに余裕をもって参加することができ、新しい知見やアイディアを得ることができました。誠にありがとうございました。

早稲田大学人間科学研究科修士2年
臼井 香