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「認知行動療法の最前線 2014 」開催に関するご挨拶

日本行動療法学会
理事長 熊野 宏昭
行動療法士会
会長 杉山 雅彦

 医療現場のみならず、教育、福祉、産業などの様々な場面でもメンタルヘルスの問題の重要性が認識されるとともに、客観的データに基づいて短期間に確実な効果を上げる認知行動療法への注目が日増しに高まっています。ここ数年度々報道番組などでも取り上げられ、期待が高まっている一方で様々な誤解も生じていると思われますので、需要の高まりに応えるために正しい理解をさらに推進していくことが必要であると考えております。

 日本行動療法学会は、認知行動療法の啓発を重要な使命の一つと考えており、大会時には主に学会員を対象にして、多くのテーマでのワークショップを開催して参りました。これらのワークショップには非学会員の方々にも参加していただくことができますが、やや専門的で内容的にも多岐に亘ることから、初心者の方々が短時間で認知行動療法の全体像を学ぶことは、やや難しいという面がありました。そこで、一昨年度から、「認知行動療法の最前線」という一般向けの1日ワークショップを始めたところ大変に好評でしたので、今年度は、名古屋で3度目の開催を迎えるに至りました。

 今回も、医療関連と教育関連で、それぞれ3つのワークショップを用意しましたので、ご関心に応じて選んで受講していただくことが可能です。医療関連では、睡眠、うつ病、不安障害、教育関連では、いじめ、学校不適応、発達障害に関わるテーマついて、それぞれの分野の専門家が、分かりやすく話を進めて参ります。認知行動療法の勉強は初めてという方も、ぜひ奮ってご参加いただけますように、ご案内申し上げます。

お申し込み・詳細はこちらから
ワークショップ開催概要一覧

会場A(定員100名) 医療関連

1時限目(9:30~12:00)

睡眠の問題に対する認知行動療法

医療法人社団絹和会 睡眠総合ケアクリニック代々木
岡島 義

 睡眠は,誰しも経験する現象ですが,それ故に「眠れない」,「寝過ぎてしまう」といった相談に対して安易に経験則でアドバイスしてしまうことが多くなってしまいます。しかし,ちまたにあふれている睡眠関連情報は迷信めいたものが多く,誤った支援になることも少なくありません。現在,睡眠障害,特に不眠症に関しては,認知行動療法が標準治療とされており,原発性不眠症,精神疾患,身体疾患と併存する不眠症に対する有効性,および睡眠薬の減薬効果が明らかにされています。本ワークショップでは,普段の臨床実践に役立つ睡眠の基礎知識,睡眠障害の特性,および睡眠問題に対する認知行動療法の実際とその効果について解説します。

2時限目(13:00~15:30)

うつ病の行動活性化療法

早稲田大学人間科学学術院
熊野 宏昭

 メンタルヘルスに関わる問題の中でも、うつ病は最も身近なものと言ってよいでしょう。医療現場では精神科や心療内科はもちろんのこと、身体疾患にうつ病を合併している方々もかなりの数に上りますし、職場や学校場面で休職や不登校に至る場合にも、うつ病が関わっていることは少なくないと思われます。うつ病に対しては、薬物療法の有効性が確立されていますが、一旦寛解しても再発することも多く、治療の選択肢を広げ再発を減らすためにも、認知行動療法の活用が期待されています。うつ病に対しては認知療法が有効ですが、近年、そのプログラムに含まれている行動活性化に注目が集まっています。この講義では、その内容を根本から見直した行動活性化療法について、明日からの臨床に役立てられるようにお話ししたいと思います。

3時限目(16:00~18:30)

マインドフルネストレーニングを用いたエクスポージャー療法

なごやメンタルクリニック
  原井 宏明・岡嶋 美代

 エクスポージャーは行動療法の真髄とも言える重要な技法です。理屈から言えば単純であり,歴史から見れば最古のこの技法についてこのワークショップでは徹底的に解説します。今さら聞けない系統的脱感作から最近流行のマインドフルネス・トレーニングまで,参加者が実際の臨床に使えるようになることを目指して,ビデオなどのデモンストレーション,体験的エクササイズをふんだんに提示します。参加者はきっと行動療法が好きになるでしょう。

 エクスポージャー療法は行動療法の要ですが,患者さんに「やりなさい」と指示するだけではうまくいきません。患者さんの側からみれば,嫌なことを無理矢理やらされることになってしまいます。この結果,「行動療法は自分には無理」と患者さんに思わせ,これを繰り返せば,臨床家も「自分には合わない治療法」と思うようになるでしょう。

 ワークショップでは強迫性障害や代表的な不安障害を取り上げ,頭の中で行われるメンタル・チェッキングのような回避行動,安全確保行動を妨害する方法と,不安階層表に頼らずその場で作り上げるエクスポージャーのコツをお伝えします。エクスポージャーを治療として成功させるには,自分自身が患者と治療者の両方の立場を経験することが必要です。"意外と楽しい"プチエクスポージャー体験ができることでしょう。

会場B (定員100名)教育関連

1時限目(9:30~12:00)

いじめ対策のための認知行動療法

信州大学教育学部
高橋 史

 加害者と被害者の双方の生活に大きな影響を与える「いじめ」。クラス環境や個人のストレス状態への具体的かつ有効な支援が求められるいじめ対策において,認知行動療法の発想とテクニックが注目されています。本講座では,1)いじめ発生を早期に発見するためのアセスメント,2)いじめ発生時の緊急対応,3)いじめ発生を予防する環境づくりの3点から,認知行動療法のテクニックをいじめ対策に活かす方法をご紹介します。小中学校でのいじめ対策を主な話題として,「明日,早速やってみよう」と思える具体策を持って帰っていただける3時間にしたいと考えています。いじめだけでなく,かんしゃくや粗暴行為など,他害のある行動への対応について考えていきたい方が対象です。

2時限目(13:00~15:30)

認知行動療法を用いた学校不適応の予防-子どものストレスへのアプローチ-

愛知教育大学教育学部
小関 俊祐

 主として小中学校で起こりうる,いじめや不登校,対人関係上の問題に対しての予防的なアプローチ方法について,認知行動療法の立場からご紹介します。学校の先生やスクールカウンセラーなどで児童生徒に直接関わられている方や,今後,児童生徒の学校不適応の問題にかかわる機会をもとうと考えている方を対象とした内容です。テキストなどで広く取り入れられている社会的スキル訓練や問題解決訓練,認知的技法などを実践する際のポイントや留意点についてご説明するとともに,先生方がかかわられている学級集団に合わせてカスタマイズするための観点についてご紹介したいと考えています。

3時限目(16:00~18:30)

発達障害を持つ生徒の「生活し難さ」への認知行動療法的アプローチ

あかつき心理相談研究所
杉山 雅彦

 発達障害を持つ人には、社会的生活を送るにあたって、不利になることがある様々な行動的特徴があることが指摘されています。しかしそれらは必ずしも、元々問題が「ある」のではなく、一般の人との連続帯(スペクトラム)であると捉えられることが多くなってきました。基本的には中枢神経系の問題のような生物学的な問題が基本にあると考えられてはいます。ただし、それそのものが大きく影響を及ぼしているというよりは、そういった問題と環境との相互作用が次なる問題を作り出し、発達障害を持つ人の「生活し難さ」をより強めてしまっていると考えられます。ここでは、特に発達障害を持つ人失敗をする、あるいはうまくいかないことによって不安が生じ、その不安を避けようとすることで生じている社会的な問題を中心に取り上げます。そして、認知行動論的な分析による理解を深め、さらに問題を改善し、ご本人にとっての「難しさ」を低減するアプローチに関して考えて行きます。


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