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2020年度内山記念賞受賞コメント(柳澤博紀)

受賞のことば

この度は、大変栄誉ある内山記念賞を賜りまして、誠にありがとうございます。選考いただきました先生方、関係者の皆様方に心より厚く御礼申し上げます。

受賞論文は重度の音声チック症状から入院となったクライエントに対してハビット・リバーサルに基づく介入を実施し、その効果を客観的な行動指標の継続測定と一事例の実験デザインにより検討したものです。

共著者の杉浦琢先生には主治医として行動療法の必要性を的確にご判断いただき、私に貴重な実践の機会を与えてくださりました。またその上論文執筆におきましても様々なご指導いただきましたこと、ここに厚く御礼申し上げます。

本論文は私にとって初の症例研究の投稿であり、採択に至るまで正に右も左も分からない暗中模索の道のりでした。道中何度も立ち止まったり、迷い道でもがいたりしている中に道標となったのが査読者の先生方のコメントです。先生方の暖かい励ましのコメント、ご指導、ご鞭撻が無ければ本論文は日の目を見ていないことは言うまでもありません。この場をお借りして査読者の先生方に御礼申し上げます

日々の臨床を重ねながら論文執筆をするというのは中々骨が折れる仕事です。しかし、常に自らの実践を省みることは科学者―実践家としての責務であると考えます。自らの研鑽と今後の認知・行動療法の発展への貢献、そしてその先にいるクライエントの幸福、QOL向上のために、我々臨床現場の実践家こそ研究論文を重ねていくべきだと私は考えています。今回の身に余る栄誉に恥じぬ実践を今後も重ねていく所存でございます。今回は誠にありがとうございました。

受賞者  柳澤博紀

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