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坂野先生名誉会員就任 お祝いの言葉

 日本認知・行動療法学会 名誉会員へのご就任、誠におめでとうございます。ゼミ生、教員の同僚として長くお世話になっている者として、僭越ながら、お祝いの言葉を贈らせていただきます。
 坂野先生の本学会への貢献は今更、説明するまでもないでしょう。機関誌「認知行動療法研究」や大会論文集に坂野先生のお名前を常に拝見していますし、学会運営におきましても多大なご貢献を継続下さっております。
 特に印象深いご貢献のひとつが、2004年に神戸で開催された世界行動療法認知療法会議(WCBCT)です。私は学生として参加させていただきましたが、あのWCBCTが国内の認知行動療法家、あるいは他領域の専門家や社会に与えた影響は凄まじいものだったと実感しています。WCBCTの開催はほんの一例ですが、多くの研究による国際貢献、あるいは海外のトップクラスの研究者や臨床家を国内に招聘し続けて下さったことによる我が国への認知行動療法の普及という貢献は特筆すべきではないでしょうか。個人的にも海外学会(ABCTなど)で海外の先生方とお話させていただく機会を与えて下さったことは、今でも刺激となっております。
 坂野先生から長く教えを乞う中で印象的な言葉がいくつもございます。その中のひとつは、「発表には技術点だけでなく、美術点がある」という教えです。これは行動療法の基本原則にも繋がることでしょうが、理論的に正しいだけでは機能しないということです。聴衆に伝わるように美術点にも配慮することが重要ということです。この教えは、今でも私の中で大切な言葉です。発表以外の場面でも、「坂野先生なら、どうおっしゃるのか?以前、こんなことをおっしゃっていた」などと考えながらの日々を過ごしています。きっと本学会の多くの先生方が私と同じように、坂野先生のお言葉を今までも、そしてこれからも心に留めながら活動の指針としていくのではないでしょうか。
 今後とも、本学会そして認知行動療法家へのご指導、ご協力を頂戴できますと幸いです。末筆ではございますが、坂野先生の益々のご健勝を心よりお祈り申し上げます。この度は、名誉会員のご就任、誠におめでとうございます。

北海道医療大学心理科学部 金澤潤一郎

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