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WCBCT2013報告書

 2013年7月22日から7月25日までの4日間,ペルーの首都リマで開催されたWCBCT2013に参加してまいりました。リマへは、日本からの直行便は無く、アメリカなどを経由して飛行機で20時間以上かかります。会場はリマの新市街にある5つのホテルとメディカルセンターの会議場でした。今回の大会は南米で開催され、発表言語も英語、スペイン語、ポルトガル語の3つがあり、まさに世界大会でした。スペイン語やポルトガル語のセッションでも、英語による同時通訳があるため、これらの言語に馴染みのない我々でも発表を聞くことができました。南米で開催されているということもあり、ブラジルの研究者が多いように感じましたが、欧米諸国や、アジアからも研究者が参加しており、認知行動療法における世界最新の知見に触れることができました。

 私は自身の興味から、基礎研究のセッションを中心に参加して参りました。なかでも、不安や抑うつに現れる認知的なバイアスを、認知課題により修正することにより症状を緩和させることを目標とした認知バイアス矯正法(Cognitive Bias Modification: CBM)は、それを主題としたシンポジウム、パネルディスカッションだけでも5つ、口頭やポスターなどの一般演題も含めると、全ての時間で関連した発表があり、CBMはひとつの時流なのだと感じました。それぞれの発表では、臨床群を対象としてCBMを実施したものや、子供を対象としたもの、また脳画像を測定したものなど、様々な試みが発表されておりました。しかし、症状がきれいに改善していない、条件の統制がとれていないなど、まだ様々な検討すべき点があるというのもまた感じました。このように,臨床実践だけではなく,臨床における基礎心理学的な研究や,基礎心理学の知見を臨床的介入に活かした発表が数多くみられ,エビデンスに基づいた臨床という世界的な流れを実感することが出来ました。

 私はThe moderating effect of positive beliefs about worry on the relation between stressful events and worryという題目でポスター発表に参加しました。発表では,自分と同じように不安について研究している研究者や、臨床実践に携わる心理士から質問や指摘を受け,自分の研究の問題点,これまで気づかなかった点など,有意義に意見を交わすことができました。特に,臨床家の方から“この研究をあなたはどう実践に活かしているのか”と質問されたことが印象に残っています。私は臨床実践に携わらない基礎研究者として,自分の研究がどのように実践に役立つかということを考えて研究をしているつもりですが,やはり教科書的な知識に留まっており,より実践に活きる研究をするためには,臨床家との連携が必要であるということを改めて実感しました。ここで得られた経験を今後の研究に活かし,今後も研究成果を世界に発表できればと思います。

 最後に,本会議の出席にあたって旅費の補助をして下さり,このような貴重な体験をする機会を与えて頂いた日本行動療法学会および関係者の皆様に,深く感謝を申し上げます。


飯島雄大